2006年3月 雪解水
昨日降った雪の上を歩く。山靴がわずかに沈む。この丘の頂に向かう階段の雪は、まだ誰にも踏まれていない。午前10時、快晴である。昨日降った雪は嵩を半分以下に減らし、積雪量は3~4センチ位だろうか。暦の上では立春から4日経っているので春である。さすがに気温が上がってきているせいか、雪が解けるのも早い。それでも畑や林のところどころに雪が残っている。畑で農作業をする人も見当たらない。この野辺で、まだ誰にも行き逢っていない。雪の上にさまざまな穴があいている。かたちから見て犬の足跡ではない。おそらく、枝に積もった雪が落ちて出来た穴だろう。
シジュウカラ・カワラヒワ・メジロ・スズメが時折、群れをなして林を出入りしている。雑木林に入るとカラスが枝から枝へ2羽・3羽飛び交っている。澄んだ声でカァーカァーと鳴く。嘴が太くて湾曲している。ハシブトガラスだ。この多くは低山に棲みつくが、最近では都会のビル街にも出没する。ハシボソガラスよりも一回り大きい。わたくしの野鳥観察の第一歩は、まずこの2種のカラスの違い知ることから始まった。
丘陵の裾のお寺に併設した幼稚園に歩をすすめる。お寺の前の庭で、十数人の園児たちが地面に降り立ったスズメの子のように、てんでんにかがみこんで雪を触っている。二人の保母さんがわたくしに会釈する。こちらも挨拶を返す。彼女たちは、素早くわたくしがどんな人かを判断しているように見える。最近、年少者を相手の犯罪が増えてきた。近年、子供に見知らぬ人を警戒せよ大人が教えようになった。子供のときから、人を信じてはいけないと教える時勢が悲しい。
1950年ころまでは暖冬続きで地球温暖化が懸念された。しかし、1970年以降気温が上がらす寒冬・冷夏が増え、逆に地球寒冷化をとなえる気象学者が多くなってきた。地球温暖化に原因が、一概に炭酸ガスの増加だけとはいえないらしい。
日本海側に寒波が次々に襲来し、この冬は例年になく寒かった。北海道、青森、秋田、岩手、山形、新潟、長野、岐阜、富山、福井、岡山、島根の各地で積雪最大値を更新している。ちなみに、この冬更新した積雪最大値の全国順位は、第3位が新潟県中魚沼郡津南町の416センチ(06.2.5)、第9位が同県南魚沼郡湯沢町の358センチ(06.1.28)となっている。いずれも積雪計を設置している観測点の値である。
気象庁調べ:昨年の11月から今年の2月までの八王子市の気温
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11月 |
12月 |
1月 |
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平均 |
最高 |
最低 |
平均 |
最高 |
最低 |
平均 |
最高 |
最低 |
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平年 |
10.6 |
15.7 |
6.1 |
5.5 |
11.4 |
0.5 |
3.1 |
8.9 |
‐2.0 |
2005年~2006年 |
10.0 |
23.0 |
0.7 |
3.1 |
14.0 |
‐5.8 |
2.3 |
15.1 |
‐6.1 |