2008年4月霾(つちふる)

3月にはいると気温があがり、日中10℃をこえる日がでてくる。三寒四温(寒い日が三日つづくと次に暖かい日が四日つづく)という冬の季語は、実感として今の時期に合っているようだ。わたくしにとって魔のスギ花粉症に苦しむ季節が始まった。

スギ花粉が大量発生する原因は次ぎのようにいわれている。1931年から15年続いた戦争中に日本中の山々から木が伐りだされ、はげ山になった。戦争末期の焼夷弾攻撃で国民の多くが家を失った。戦後、再建に要する建材を確保するため植林事業が推進され、林業家は一斉に山々にスギ・ヒノキなどを植えた。八王子でも南高尾山稜から陣馬山への北高尾山稜にかけ、広範囲に成熟したスギ・ヒノキの人工林がある。高度成長の時期から安い外材が大量に輸入されたため、高い国産材が売れず採算割れとなり人工林が放置されてきた。春先スギの枝先に淡黄色の長さ5~8㍉の楕円形の雄花が多数つく。八王子はスギの人工林にすっぽり囲まれているので、スギ花粉の飛散量が特に多い。

春は黄砂が到来する季節でもある。北京では、一たび黄砂が吹き荒れると視界は数日間ほとんど利かなくなる。これが襲来すると、飛行場は閉鎖、陸上の交通機関は乱れ、時には郊外に放牧されている家畜も畜舎に戻れなくなるほどだという。

黄砂の発生源は、タクラマカン砂漠、ゴビ砂漠、黄土高原などの砂漠や乾燥地帯とみられている。広大な面積を有する東アジアや中央アジアなどの広い範囲には偏西風が吹いているため、黄砂は北や南にずれながらも全体的に東に流される。気圧配置によっては西に流されることもある。粒の大きい砂は重力などによってすぐに落下するため、高濃度の砂嵐は発生地から遠い場所までは届かない。ただし、低気圧の発達にともなって砂塵嵐が発生した場合、砂塵が風でかき混ぜられ遠くまで届くこともある。数千kmも運ばれて日本などに到達するものは粒の細かい砂のほうが多い。日本付近では、最大で上空6~7kmまでの高さに砂の粒子が存在する。黄砂の年間発生量は年間2億~3億t。降下量は日本で1年間に1km2あたり1~5t、北京で1ケ月間に1km2あたり15t程度と推定されている。
黄砂:wikipediaフリー百科事典

水を引き込む水田作と違って、畑作は水を引き込めない耕地で、雨水をたのみに野菜を育てる。苗づくりや種蒔きには最小限水がいる。畑で水を確保できない場合は家からポリタンクで畑に運ぶことになる。
ここ中山の畑では、手づくりで天水槽を設けて水を確保している。昨年、中段畑の天水槽が老朽化して水漏れしたので、これをつくり直すことになった。この天水槽は古浴槽を3個つなぎ合わせたもので、全部に雨水が溜まると約1.0㌧の水を蓄えることができる。これで中段畑約1.5反(450坪:約1,500 ㎡)の水をまかなう。これに必要な材料は古浴槽、天水を受ける屋根材料、土台の木枠、支持棒など。主に廃棄されたものを探し集め、最小限必要なパイプやバルブなどを購入し、Mさんが約1ケ月間かけてつくった。水道工事の知識や経験がないとできないもので、見事な出来栄えである。

霾(つちふる)や 雨をたのみの 鋤(すき)に鍬(くわ) 幹治