2010年4月八ツ場ダム

3月22日、気象庁東京管区気象台が東京の桜の開花を発表。これを受けた日本気象協会3月24日インターネット桜開花予想によると、八王子の開花が東京と同じく平年よりも6日早く、昨年よりも1日遅い3月22日と掲載。例年、春分をすぎると全国の桜の開花情報が新聞やテレビを賑わすようになる。

最近では、気象庁に加え民間3気象機関が参入して独自の調査により気象データを公表している。気象情報は、一週間後にどうなるのか、明日はどうなるのか、日常の暮らしの計画を立てる上で欠かせないものになっている。天気をみてその日の作業の段取りを決める農漁業や建設業、またその日の食材の仕込む小売業、各種イベント実行から個人の暮らしにいたるまで、人々の暮らしは天気により左右されることが意外に多い。そのため気象情報というサービスが取引される時代になってきた。

昨年4月20日~21日、デジカメ撮影会の仲間と草津温泉旅行をした。今年は1ケ月早い3月25日~26日に別のグループと同じ草津温泉にでかけた。3月22日八王子桜の開花から寒い日が数日続いた。出発日の朝、インターネットで草津の気象情報を検索すると25日・26日の両日最高気温が0~-3℃、みぞれから乾雪とある。マフラーや厚手のコートを着込み冬支度ででかける。

八王子を午前8時に出発し、午前11時30分に草津のホテルに着く。昨年同様、ホテルのロビーは帰る客と到着した客でごったがえし、バスが次々出入りしている。この不況で他のホテルは閑古鳥が鳴いているのに、この格安ツアーだけがいつも満員だ。不況だからこそこの商法が当たっているのかもしれない。

草津温泉は日本の三大名湯に数えられ、宿泊施設数171、湯質は酸性、年間浴客数約280万人を超える大温泉郷だ。一休みして外に出て食事をとることにする。ここでの観光スポットは西ノ河原、湯畑、土産店めぐりなどだ。この時期が卒業シーズンと重なるせいや二十歳前後の若男女や東南アジアからの客が目立つ。今回のわたくし達のグループは男7人、女3人。女の人はやはり買い物に興味があるらしく直ぐに土産店に行き、男の方は湯畑を中心に散策する。

翌朝に朝風呂に入ってからホテルを7時にでて町を巡る。この時間にもう温泉饅頭を売る店が店頭に蒸篭をだしさかん蒸気をあげ、路地に湯けむりを押しだしている。これが湯の町情緒を醸し出す道具立てになっている。湯畑の足湯の小屋付近で佇んでいるとランドセルを背負った小学生が次々やってくる。もうこの時間に学校に行くのだろうか。

8時20分朝食に時間に一度宿にもどる。朝食を終え、荷物の整理をしてから再び町にでる。しばらく路地を散策して午前10時から湯畑脇にある「熱の湯湯もみ」ショーの小屋に入る。舞台には踊り手と歌い手、下の湯そうを囲む板張りの床には湯もみ女が入場する。民謡は草津湯もみ唄、草津節、草津小唄が唄われる。

湯もみ女は赤い蹴だし(おこし)をきた中年女性が5人と5人の2組が湯もみ板をもって湯そうに向かい合う。最初は湯もみ板を緩やかに揺り動かしていたが、そのうちに湯もみ板を湯に差し込んみざぶんざぶんと湯を跳ね上げると、小屋中に湯けむりが立ちのぼる。
湯もみ体験コーナーでは子供を交えた湯浴客が大勢飛参加して、湯もみ唄に合わせ湯もみをした。わたくし達の女性と男性も仲間も童心にかえり飛び入り参加。

雪解に 足をとらるる 路地めぐり 幹治







八ツ場ダム

群馬県に入り吾妻川を走行中、バスからダム建設の是非でゆれている八ツ場ダム工事現場付近を望見。昨年4月に通った時には橋も姿を現しておらず、工事が進んでいなかった。それが今では渓谷の工事が進み両岸が削りとられ、両岸に分かれた住民を結びつける超高架橋が二本架かり、平場では土地造成が進んでいた。超高架橋はあと少しを残して工事が中断していた。最近の動きによると、民主党政権がダム工事は中止するが高架橋の工事は続行するとしている。

このダムが1952年調査が開始され、昨年政権交代した民主党政権が建設中止を打ち出している。ダム工事の総費用はダム本体よりも付帯工事の方がかさみ、当初予定予算よりも大きく膨らんできている。この中には住民の移転費用、インフラ整備、草津温泉が流す酸性の水を中和する費用なども含まれる。ダムが本当に必要か否か、費用対効果はどうか、などこれまで国家事業として進められてきた公共事業が今鋭く問われている。

国と地方の財源配分について、国と地方の税収割合が3対2に対し、配分では逆に2対3になっている。これは国の方針によって地方の事業が進められている割合が多いことを意味する。国の歳出のうち、公共事業が占める割合が日本は世界中でも飛びぬけて高い。国民が支払う税金が、長年の政財官の癒着による利権もからんで不当に多額に使われて来たものだ。

1970年代まで経済成長が続き、税収が伸びていた時期に貿易摩擦解消の名目で米国の圧力で公共投資が強行されてきた。1970年代に入って低成長が続くと税収が伸び悩み、景気浮揚策として国債が増発された。その結果、今日国と地方を含めた公債累積が約800兆円を超えるようになった。

ここ数年GDPが約500兆円、税収が約50兆円未満を横ばいで推移している。平成22年3月国会を通過した大型国家予算では遂に税収を上回る国債発行となった。

著名な温泉地である川原湯温泉の住民は、計画当初ダム工事に反対していた。それが国の方針でダム工事が決まり、着工された。昨年政権交代で民主党政権は一転してダム工事中止の方針を打ち出した。半世紀にわたり、政争に明け暮れ住民はダム工事の是非に翻弄されてきた。元通りの平和な暮らしに戻すに、これからどのくらいかかるだろうか。ここに20世紀後半にこの国が起こした公共事業の一つの終焉をみることができる。

八ツ場ダム(やんばダム)は利根川の主要な支流である吾妻川中流部、群馬県吾妻郡長野原町川原湯地先に建設が進められている多目的ダムである。2015年度の完成予定で、完成すれば神奈川県を除く関東1都5県の水がめとしては9番目のダムとなる。形式は重力式コンクリートダムで高さは131.0m。国土交通省関東地方整備局が事業主体である。
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建設予定地 群馬県吾妻郡長野原町。
関東の耶馬溪と称される名勝、吾妻渓谷の上流部

目的
1.治水(洪水調節のため)
2.利水(首都圏の生活・工業用水のため)
八ッ場ダムの水は、埼玉県、東京都、千葉県、群馬県、茨城県、栃木県の一都五県に水道用水、工業用水として供給される予定である。

規模 総貯水量1億750万m3
高さ(堤高)116メートル、幅(堤頂高)285メートルの重力式コンクリートダム。

水没予定地域 世帯数340戸。面積316ha。
吾妻渓谷両岸の川原湯温泉、川原畑地区も全て水没予定。
横壁、林、長野原の三地区も一部水没。

吾妻渓谷の上流部、JR吾妻線川原湯温泉駅、国道145号線、国指定天然記念物・川原湯岩脈、その他、貴重な山野草など。

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