2012年11月 秋の薔薇

10月23日(火)正午、用事が済んでから深大寺に立ち寄る。今年に入ってから神代植物園を経由して調布へゆくバスがなくなったようだ。深大寺小学校で降りると小雨が降ってきた。雨の公園散策も一興と思いがあった。予報では秋雨前線が列島を横断し九州や北日本が大荒れになり、関東でも一日雨と出ていた。

深大寺東参道を約300m下ってゆくと深大寺山門にでる。あいにくの空模様なので人出はまばらだ。山門の石段を登る一組の七五三の七歳と五歳の女の子を連れた若い夫婦に出会う。七歳の子は可愛い日本髪を結って着飾っており、下の子も負けずに可愛い和服を着ている。そのまわりを中高年のおばさん達が取り囲み、口々に可愛いと囁く。七五三は11月15日なのでまだ早いが、最近ではどこの神社も祈祷を受け付けているようだ。

これを見ていて、二人の息子の七五三を思い出した。やはり新調の洋服を着せ、千歳飴を買い、祈祷はしなかったが形ばかりに高尾山口の氷川神社にお参りした。こどもの幸せを願う日本的な風習は、華美にならないようにこれからも伝えて行きたいものだ。

深大寺の中と通り抜け神代植物園に入る。雨模様のためか、ナラクヌギの武蔵野の面影を残す自然林は薄暗い。ひとの気配はあまりない。地表をうすく落葉がおおっており、紅葉にはまだ早い。大芝生に入ると雄大なパンパスグラスの一叢が目に入る。穂の高さは3mに近い。大きな刷毛にもなりそうな形である。大空を乱層雲がおおっている。

雑木林を通り抜け、薔薇園に入る。中央に噴水をしつらえた神代植物園の英国式の薔薇園は有名だ。薔薇園を木立が囲み、雨雲が低くたれ時おり小雨が降ってくる。雨の薔薇園も悪くない。今は「秋のバラフェスタ」が開催中で、講演会やコンサートも行っているという。秋の薔薇は春の薔薇に比べると咲き数と華やかさには欠けるが、しっとりと落ち着いた品種が多い。

昨夜から降った雨で、どの薔薇にも大小の雨露が散らばってかかり瑞々しい。集団で咲いている薔薇は見事だ。開ききっているものが多く、既に盛りは過ぎているようだ。午後に入りすこし人出が増えた。いずれも中高年おばさん達が多い。老夫婦やグループ連れもある。

あめつゆの とどまってゐる 秋の薔薇 幹治


ときおり雨が降ってくる。傘を差しながら、まだ開ききっていない薔薇を次々にさがしだし、コンパクトカメラでマクロ撮影を行う。薔薇の品種を書き留める余裕がなかったので、参考に下記サイトを掲載する。
神代植物公園 薔薇園ファンサイト バラ品種一覧 243種類
http://baraen.info/zindaiibaraen/itiran.html